ギターの開放弦を一定の音に合わせる事をチューニングと言い、それを日本語では調弦(ちょうげん)と言います。チューニングにも幾つか種類がありますが、最も多いスタンダードチューニングだけを覚えておけば十分です。先ずはチューニングの必須アイテムから見ていきましょう。

チューナーについて

クリップ式チューナー
クリップ式チューナーの画像

チューナーで調弦

調弦を簡単に行えるのがチューナーという機械です。チューナーにも数種類ありますが、クラシックギターで最も良いのが、上記の写真でも見られるクリップ式チューナーです。これはクラシックギター初心者にとって、かなり重要なアイテムだと思ってください。

ヘッドに挟むクリップ式チューナー
ヘッドに挟むクリップ式チューナーの画像

クリップ式チューナーの使い方

クリップ式チューナーの使い方は非常に簡単で、先ずはギターのヘッドに挟んでやります。クリップ式チューナーのスイッチを入れてから各弦の開放弦を鳴らしてやると、その振動をクリップ式チューナーが拾い、合わせる音を教えてくれます。

スマホアプリの調弦

最近は調弦の出来るスマホアプリもありますが、音で調弦するため雑音の多い場所では難しいです。また性能も少し劣るので、スマホアプリでの調弦はチューナーの予備、という考えが良いと思います。

スタンダードチューニング

スタンダードチューニングの小節
スタンダードチューニングの小節画像

調弦の基本

それぞれ開放弦の6弦をE(ミ)、5弦をA(ラ)、4弦をD(レ)、3弦をG(ソ)、2弦をB(シ)、1弦をE(ミ)に合わせるのが、ギターチューニングの基本となります。これをスタンダードチューニングの他に、ノーマルチューニングやレギュラーチューニング等と呼びます。

スタンダードチューニングの指板
スタンダードチューニングの指板図

調弦は繰り返しが基本

調弦は何弦からでも良いですが、6弦から1弦へ調弦していく事が多いです。そして、1弦まで調弦し終えたら再び6弦から1弦までを調弦します。ギター系統の楽器は1本を調弦すると、他の弦の調弦が微妙に狂うという現象が起こるからです。なので、調弦は最低でも2回は繰り返しておきたいところです。

張り替えたての弦

新しい弦を張り替えたばかりは、調弦をしても直ぐに音が大きく狂ってしまいます。これは弦がグングンと伸ばされているためです。

高度な調弦方法の指板
高度な調弦方法の指板図

高度な調弦

この調弦は自分の耳を頼りとし、一方は弦を押さえながら二音を弾いて聞き比べ、更にペグを回しながら調弦をしていくので、初心者には高度な調弦です。最初は大体で良いので音が合ったと思ったら、チューナーを使い確かめてみると良いでしょう。

  • ① 先ずはチューナーで5弦0フレットをAに合わせる。
  • ② 5弦0フレットに6弦5フレットを合わすので、6弦のペグを回す。
  • ③ 5弦5フレットに4弦0フレットを合わすので、4弦のペグを回す。
  • ④ 4弦5フレットに3弦0フレットを合わすので、3弦のペグを回す。
  • ⑤ 3弦4フレットに2弦0フレットを合わすので、2弦のペグを回す。
  • ⑥ 2弦5フレットに1弦0フレットを合わすので、1弦のペグを回す。

変則チューニング

多くの曲はスタンダードチューニングで演奏されますが、それ以外のチューニングで演奏される曲もあり、それを変則チューニングと言ったりします。初心者の内は変則チューニングを必要としませんが、代表的なものを以下で説明しているので、参考までに目を通しておくのも良いでしょう。

ドロップ系チューニング

  • ドロップDチューニングの小節
    ドロップDチューニングの小節画像
  • ドロップDチューニングの指板
    ドロップDチューニングの指板図

ドロップDチューニング

スタンダードチューニングから6弦だけを、EからDに下げてやったのがドロップDチューニングです。変則チューニングの中では、このドロップDチューニングが最も多く使われているかと思います。

  • ダブルドロップDチューニングの小節
    ダブルドロップDチューニングの小節画像
  • ダブルドロップDチューニングの指板
    ダブルドロップDチューニングの指板図

ダブルドロップDチューニング

ドロップDチューニングから1弦を、EからDに下げたのがダブルドロップDチューニングです。指板の音名を見ると、6弦と1弦が同フレットで同じ音名なのが分かります。

  • ドロップGチューニングの小節
    ドロップGチューニングの小節画像
  • ドロップGチューニングの指板
    ドロップGチューニングの指板図

ドロップGチューニング

ドロップDチューニングから5弦を、AからGに下げたのがドロップGチューニングです。6弦と4弦のDと5弦と3弦のGが、1オクターブの音程差になっています。

ドロップ系チューニングの特徴

ドロップ系チューニングの特徴は、スタンダードチューニングよりも低い音が出せるので、重たくドッシリとした雰囲気を演出してやれます。

オープン系チューニング

  • オープンDチューニングの小節
    オープンDチューニングの小節画像
  • オープンDチューニングの指板
    オープンDチューニングの指板図

オープンDチューニング

スタンダードチューニングの6弦をEからDへ、3弦をGからF#へ、2弦をBからAへ、1弦をEからDへ下げたのがオープンDチューニングです。これはヴェスタポールチューニングとも言われます。

  • オープンGチューニングの小節
    オープンGチューニングの小節画像
  • オープンGチューニングの指板
    オープンGチューニングの指板図

オープンGチューニング

スタンダードチューニングの6弦をEからDへ、5弦をAからGへ、1弦をEからDへ下げたのがオープンGチューニングです。2弦のB以外は全てDとGなのが分かります。

  • オープンCチューニングの小節
    オープンCチューニングの小節画像
  • オープンCチューニングの指板
    オープンCチューニングの指板図

オープンCチューニング

スタンダードチューニングの6弦をEからCへ、5弦をAからGへ、4弦をDからCへ下げ、2弦をBからCへ上げたのがオープンCチューニングです。6弦から2弦までCとGが交互に並びます。

オープン系チューニングの特徴

例えばオープンCチューニングなら、6弦から1弦の開放弦を弾くだけでコードCを弾けます。このようにオープン系チューニングの特徴は、コード弾きに適したチューニングとなっています。

変則チューニングは数多

変則チューニングの種類はまだまだたくさんあり、ギタリスト独自の変則チューニングもあるくらいです。変則チューニングも面白いですが、先ずはスタンダードチューニングを中心とした曲から、練習していくことをお勧めします。

記事終了
このページのまとめ
  • クリップ式チューナーは必須アイテム。
  • チューニングを日本語で調弦(ちょうげん)と言う。
  • スタンダードチューニングが基本。