フィンガーピッキングとは名前の通り、指でギターの弦を弾くテクニックで、ピックで弾くよりも難易度は高いかと思われます。また、フィンガーピッキングは指ばかりではなく、爪の長さや形が重要なポイントになります。先ずはそのフィンガーピッキングについて、基本的な事を知っておきましょう。

フィンガーピッキング

フィンガーピッキングの記号
フィンガーピッキングの記号画像

P・i・m・a

フィンガーピッキングは譜面に親指を親指の記号、人差し指を人差し指の記号、中指を中指の記号、薬指を薬指の記号として、どの指で弾くかを指示している場合があります。最初はそれに従って練習していくのが無難でしょう。

小指では弾かない?

小指を小指の記号と表しますが、小指は単独で使わないギタリストも多いです。

フィンガーピッキングの指示がある小節
フィンガーピッキングの指示がある小節画像

弾く弦を担当する指

6・5・4弦を親指の記号で弾き、3弦を人差し指の記号で弾き、2弦を中指の記号で弾き、1弦を薬指の記号で弾くのが基本です。しかしこれは基本というだけで、3弦を親指の記号で弾いたり、4弦を人差し指の記号で弾いたりする事もよくあります。

アルアイレとアポヤンド

アルアイレ奏法

アルアイレは基本奏法

上記の動画のように、指で弦を弾いた後に指が空を切るようになるのが、アルアイレ奏法という弾き方です。アルアイレはフィンガーピッキングでの基本奏法とも言え、ほとんどをアルアイレで弾くことになるかと思います。

アルアイレの始動

アルアイレで弾く場合は、指は根元に近い方の第2間接から動かし始めましょう。そうすれば指先に近い第1間接は意識しなくても、自然と動いているはずです。

ボディに置いた小指
ボディに置いた小指の画像

小指をボディに置いて弾く

小指をギターのボディに置いて弾くと、安定したアルアイレになる人もいます。本格派のクラシックギタリストには敬遠されるフィンガリングですが、試してみる価値はあると思います。

アポヤンド奏法

アポヤンドは単音向き

次の動画は指で弦を弾いた後に、指を直ぐ上の弦で止めており、こういう弾き方をアポヤンド奏法と言います。アポヤンド奏法は力強い音を出すことができ、メロディを単音で弾く時などに向いている奏法です。アポヤンドは人差し指と中指を、交互に使うことが多いです。

アポヤンドの始動

アポヤンドも第2間接から動かし始めますが、第1間接は真っ直ぐに伸びた状態になるのが自然です。しかし、真っ直ぐを意識し過ぎて、指に力が入り過ぎないように気をつけましょう。

アポヤンド最中の親指

アポヤンド最中の親指ですが、弦の上に置いたり、ギターのボディに触れさせておくと、アポヤンドが安定するかと思います。また、親指でアポヤンドをする機会もあります。

指を弾く角度

指が弦に対して直角(真上)
指が弦に対して直角(真上)の画像

指は弦に対して直角が基本

弦を弾く時の指は上記の画像のように直角、つまり指を真上に弾き上げるというのが基本とされます。しかしこの場合、爪の長さによっては弦に引っかかってしまい、上手く弾けない事もよくあります。

指が弦に対して斜め
指が弦に対して斜めの画像

指に角度をつけて弾く

指に少し角度をつけてやると、指が弦を抜け易くなるかもしれません。しかし、あまり角度をつけ過ぎてしまうと、今度は音量が極端に減ってしまったり、音色が丸くなり過ぎるので注意しましょう。

手の甲から手首にかけて

手の甲はボディと平行を基本にすると良いでしょう。手首も平行でも良いですし、少し突き出してしまうくらいでも良いでしょう。

爪について

アルアイレ奏法

三通りのフィンガーピッキング

フィンガーピッキングといえば爪で弾く、というイメージが強いと思いますが、具体的には以下の三通りに分けることが出来ます。自分のプレイスタイルや、生活環境に合わせた爪を選ぶと良いでしょう。

  • 指だけで弾く

    フィンガーピッキングは爪を伸ばさなくても、指だけで弾くことも可能です。暖かく丸みのある音が特徴的ですが、弾き続けるにつれ、特に音量に不満を覚えるかと思います。

  • 爪だけで弾く

    爪だけで弾く場合は音量にも満足する他、繊細なプレイにも向いているでしょう。長い爪を必要とするので、爪の手入れや私生活で大変な事がデメリットです。

  • 指と爪の両方で弾く

    指と爪の両方で弾くというのは、先ず指先で弦を捉えてから、最後は爪で弾くという感じです。これなら長い爪は必要なく、指先側から見て2ミリ程度の爪の長さで良いでしょう。上記の動画も指と爪で弾いており、このフィンガリングを使用する人が最も多いような気がします。

左側を削った爪
左側を削った爪の画像

爪の形

次に爪の形ですが「指先の延長と考え、指先の形と同じに丸く整えるのが基本」かと思います。しかし、これも基本というだけで、僕にとって都合の良い爪の形は上記の画像のように、爪の左側を少し削ってやった状態です。爪の形も千差万別ですが、鋭く尖った爪は見られないかと思います。

爪の手入れは爪やすり

爪の手入れですが、爪切りより爪やすりを使いましょう。具体的には荒い目の爪やすりで形を整え、細かい目の爪やすりで仕上げるとベターですが、先ずは一般的な爪やすりがあれば良いでしょう。爪が薄くて割れやすい人は瞬間接着剤や、化粧品コーナーで見られる爪専用の補修剤をつけると良いでしょう。

  • 付け爪①
    付け爪1の画像
  • 付け爪②
    付け爪2の画像
  • 付け爪③
    付け爪3の画像

付け爪でも弾ける

職業上の理由で爪を伸ばせない人は、付け爪で演奏するという選択肢もあります。自分の爪より弾き辛くなるのは否めませんが、全く弾けない事もありません。また、付け爪を削り加工を施せば格段に弾き易くもなります。付け爪にも何種類かあるので、出来れば幾つかを試されると良いでしょう。

サムピック

サムピック(フレッドケリー)
サムピック(フレッドケリー)の画像

サムピックは親指専用

爪を伸ばせる人でも親指の爪だけは、満遍なく弦に当てるのが少し難しいため、指輪型のサムピックを使う人も多いです。僕も色んなサムピックを試しましたが、初心者からベテランまでお勧め出来るのが、フレッドケリーというメーカーのサムピックです。

スリックピック
スリックピックの画像

スリックピックはノーマルタイプ

上記の画像がフレッドケリーのスリックピックで、ノーマルタイプのサムピックです。サイズは統一されており、上記3つの違いはピックの薄さにあります。イエローが最も薄く弦を抜け易いので、初心者にも扱い易いかと思えます。力強い音が欲しい人は、最も厚いホワイトを選ぶと良いでしょう。

スピードピック
スピードピックの画像

スピードピックは爪細

今度はフレッドケリーのスピードピックで、最大の特徴が爪の細さにあります。スリックピックより音量は小さくなりますが、繊細なピッキングが出来るはずです。中でもイエローは最も薄いので、楽な力で弦を弾く事が出来るでしょう。ベテランになるにつれ、ホワイトを好む傾向があるようです。

爪を短くしたサムピック
爪を短くしたサムピックの画像

サムピックも自分好みに

特に親指で弾いていた人には、デフォルトのサムピックだと爪が長すぎるので、爪やすり等で短くして使う人が多いです。加工する場合は少しずつ短くして、弾き試ししていくと良いでしょう。因みに、上記画像の左はジムダンロップというサムピックで、ジムダンロップもサムピックの中では人気があります。

記事終了
このページのまとめ
  • フィンガーピッキングは親指の記号人差し指の記号中指の記号薬指の記号を基本とする。
  • フィンガーピッキングの大半はアルアイレ奏法。
  • フィンガーピッキングは付け爪やサムピックという選択肢もある。