イタリア出身のフェルディナンド・カルリ(1770-1841)はギタリストだけではなく、ギター製作者としても有名だったようです。カルリにもギターで作った何百曲という作品がありますが、ここではクラシックギターの初級練習曲として最適な2曲のワルツを、8小節ずつに区切って見ていきましょう。

カルリのワルツⅠ(全24小節)

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カルリのワルツⅠ(1~8小節目)
カルリのワルツ1(1~8小節目)の譜面

スタッカートで短く刻む

音符の上下に付いている黒い点は、スタッカートという音楽記号です。スタッカートのある音符は短く刻んで弾く必要があるので、長く伸ばさないように気をつけましょう。

ワルツは3拍子

イチ・ニッ・サンの3拍子を繰り返し、演奏する曲をワルツと言います。本来ならこのワルツは8分の3拍子ですが、ここでは分かりやすく、4分の3拍子に直してあります。

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カルリのワルツⅠ(9~16小節目)
カルリのワルツ1(9~16小節目)の譜面

押弦の指は自由

タブ譜面の数字の近くには、押弦する指を表記しています。その通りに押弦しても良いですし、それよりも押弦し易い指があれば、それを試してみるのも良いでしょう。

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カルリのワルツⅠ(17~24小節目)
カルリのワルツ1(17~24小節目)の譜面

小節を繰り返す記号

18小節目と22小節目にある2点に挟まれた斜線は、直前の小節を繰り返せという記号です。なので、18小節目は17小節目と、22小節目は21小節目と同じフレーズを弾きます。

カルリのワルツⅡ(全32小節)

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カルリのワルツⅡ(1~8小節目)
カルリのワルツ2(1~8小節目)の譜面

弦を弾く指も自由

1小節目と5小節目ですが、親指で3弦を人差し指で2弦を弾く、という組み合わせになっても良いですし、人差し指で3弦を中指で2弦を弾く、という組み合わせでも良いです。

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カルリのワルツⅡ(9~16小節目)
カルリのワルツ2(9~16小節目)の譜面

弾く指の基本

先ほどは弦を弾く指は自由と書きましたが、弾く指が偏り過ぎないようにもしておいた方が良いでしょう。どの指も満遍なく使う事により、より難しいフレーズを弾く時にも対応が出来ます。

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カルリのワルツⅡ(17~24小節目)
カルリのワルツ2(17~24小節目)の譜面

音量の均等化

最後の24小節目は4本の弦を同時に弾きますが、なるべく4本の弦の音が均等に鳴るようにしましょう。この場合は特に、3弦の音が聞き取りづらいかと思います。

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カルリのワルツⅡ(25~32小節目)
カルリのワルツ2(25~32小節目)の譜面

順番に押弦する

押弦で難しいのが25小節目と29小節目です。一気に押さえられない場合は、先ず4弦4フレット、次に2弦4フレット、最後に3弦2フレットと、ワンフレットずつ押弦していくと良いでしょう。

記事終了
このページのまとめ
  • フェルディナンド・カルリはギタリスト兼ギター製作者。
  • ワルツは3拍子の意味。
  • カルリのワルツはクラシックギター初心者の練習曲。